サツマイモの保存について

プロローグ

さつまいも、薩摩芋、サツマイモ、いろいろな呼び方がありますが、みなさんは言葉としてサツマイモを書くときどう書くでしょうか?

私は大学で植物の培養について学んだ経験がありますが、その時に教授には、『種の名前はカタカナで示すように』と教えられました。

そのときのクセが抜けないのか、しっくりきたのか、種の名前を表すときはカタカナで表現するようになりました。

そこで、このサイトでは”サツマイモ”と呼ばせていただきます。

サツマイモの保存

さて、私たちは去年令和5年中にサツマイモを280kg以上収穫しました。

それが10月の後半です。

今は年をまたいで令和6年の2月です。

4ヶ月が経過しましたが、収穫したサツマイモはどうなっているでしょうか?

答えは「腐っている」です。

作業小屋のコンテナにブルーシートをかけて保存していましたが、ここは北東北。哀れサツマイモは寒すぎて腐ってしまいました。

まるで腐海のようでした(ナウシカ知らない方すみません!)。

風の谷のように換気していれば防げたのでしょうか?

答えは否です。サツマイモが腐ることは保存したときからわかっていました。既定路線です。

なぜなのか、それは4つのポイント全てを備えていなかったからです。

1. 温度

まずは温度です。

サツマイモは一般的には5℃を下回ると腐り始めると言われています。

体感的には2~3℃じゃないかなとは思います。

逆に適温は15℃~20℃ほどです。

これが高すぎると芽が出てしまいます。そうなれば芽の成長に養分を使うので美味しくなくなります。

東北のふゆではこれが厳しいです。

保存には寒い風が入らないようにして10℃ほどの所で保管できればいいと考えます。

サツマイモの保存法に土中保存というのがあります。

土を掘ってその中に麻袋に入れたサツマイモを入れて土で蓋をし、使うときになったら取り出すというものです。

土の中は一定の温度なのでこれでもいいですが、取り出すのがちょっと面倒くさいですね。

2. 湿度

2つめは湿度です。

サツマイモに適する湿度は90パーセントほどと、高めになっています。

その湿度で肌を綺麗に保っておくのが腐りにくくするポイントなのです。

人間の肌と同じく、保湿しておかねばならないのです。

3. 明暗

3つめは暗くしておくことです。

サツマイモは日光に当たると、ジャガイモと同じく芽が出てしまいます。

芽が出たからと言って食べられない訳ではありませんが、美味しくはなくなってしまいます。

4. キュアリング

4つめは温度と同じくらい大切なキュアリングです。

キュアリングってなに?という方向けに簡単に説明します。

サツマイモを温度30~35℃、湿度90%以上の暗所に3~4日置いておく作業のことを指します。

キュアリングをすると、皮と身の間(魚みたい…)にコルク層という固い層ができます。

よく言われるのが、『かさぶた』という表現ですが、私は良い表現だなと思っています。

このかさぶたが菌の侵入を防ぎ、腐るのを防いでくれます。

キュアリング処理を行えば10℃以下になってもちょっとやそっとでは腐らなくなります。

キュアリングは専用の機械や装置で行いますが、ご家庭でやるときはコンテナに土付きで乾かしたサツマイモを入れ、ビニール袋(ゴミ袋など)に入れます。

そのあとに水をたっぷり含ませた新聞紙(1日分)をビニール袋とコンテナの間に入れます。

そしてビニールを閉じた後、電気毛布で包んで保温します。

このときに無線の温度計があれば中に入れて30℃になるように調整してください。

なければビニールに温度計で穴を開け、一定時間置きに刺して温度を見ながら調整してください。

その状態で3日ほどでコルク層はできます。

今年は私たちも委託にはなりますが、キュアリングを施そうと思っています。

まとめ

サツマイモの保管で大切なのは以上の4つ

1. 温度(10℃~20℃)

2. 湿度(90%)

3. 明暗(真っ暗)

4. キュアリング(30~35℃、湿度90%以上、3~4日)

これらと言うことがわかりました。

これらをクリアすれば、サツマイモを保管、熟成させて、あま~くすることも可能!!

いずれは熟成サツマイモもみなさんに届けられるように頑張ります!

それでは~!

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